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​再開発計画に関する問題点

​1. そもそもまちづくりへの希望は

​私たちは、いわゆる再開発居住区に住みたいとは思いません。よく見かける、数棟の高層ビルや整然としすぎる空地の画一的景観をすべて否定はしませんが、ビジネス区域はいざ知らず、住居地区については多様性のある、個性的で等身大の、うるおいある路地のある

地区に、世代を超えて、持続的発展のもとに暮らしたいと思います。(続く)

​2. 都市再開発事業の手続上の問題

​第一種市街地再開発の手法は、都市計画法および都市再生開発法上、基本的に地権者の3分の2以上による提案制度といわれ、制度上、3分の1以下の地権者は不利益を被る可能性があります。準備組合・都市計画決定・都市再開発組合認可・権利変換計画認可はほぼ一体であるといわれ、​詳細な計画全体像がわからないうち安易に準備組合設立を認めることは危険と思えます。特に、過半数で採決する準備組合規約案は、全員同意をめざすまちづくりには

不適切ではないかと思います。一部地権者と協力事業者の意向で強引に進められて切り捨て

​リスクの可能性があります。

​3. 都市再開発事業の仕組み上の問題

​第一種市街地開発事業の仕組みは、土地・建物を資本として投資して、再開発ビルに床を得る(権利変換)一方、保留床処分(売却・賃貸管理)をする共同営利事業といわれます。

営利事業ならば、経営リスクがあり、失敗しても自己責任と切り捨てられます。協力事業者は、いざとなれば、不動産投資ファンドに売却、リスク回避が可能ですが、一般地権者は

さらに 経営負担を負うことになります。経済的に弱い地元住民や資本力の弱い地元事業者

を転出させて、代わりに超富裕層・富裕外国人等を呼び込むという結果になりかねません。

​一方、公益施設を誘導することによって、多額の補助金(税金)が投入されることが前提です。しかし、この地区は幸いにも豊かな公園・神社・文化施設などいくつもの公益的施設が周辺に存在します。緑も比較的多いです。比較的庶民的なまちとして、周辺店舗・会社従業員のための小規模アパート・マンションなど多く一定の社会的貢献をしております。商店街も地元住民のためにも努力しています。路地といっても直ちに防災防火に影響をあたえるとはおもえません。地区には消防署新町出張所もあります。安易に都市計画を変更してよいとはおもいません。

 また、公的資金導入が想定されているにもかかわらず、住民・地権者は事業計画の詳細をあらかじめ知ることができずに事業がすすめられるようです。公的資金導入ならば、準備組合設立の前に、納得のゆく詳細な情報開示は必須なのではないでしょうか。

​4. 住民の生活・環境・防災・衛生等の問題

再開発ビルに移転する場合にも、生活維持・環境・防災・健康・衛生上などさまざまな問題があるといわれています。また必ずしも現在の生活環境よりもよくなるとは限りません。

*高齢者の場合、移転に伴う2度の引っ越しに耐えられない可能性。

​*移転後の管理費・建替積立金・固定資産税の高騰など、居住維持が困難になる可能性。

*高層階の住人は健康不調・引きこもりになる可能性。

*防災上の危険も免れない可能性(大震災高周波振動・エレベーター停止等)

*現下のコロナ渦でのように共有施設・排泄施設での感染不安の可能性。

​*自宅でのリモートワークにより、部屋の狭さ・隣家との壁の薄さ・音の被害など

 新たな不安​要素

*高層ビルによるビル風など不測の事態​

などなど、心配はつきません。

​5 人口減少・住宅過剰問題

国立社会保障・人口問題研究所によると、 2030年以降日本の全都道府県で総人口が減少、
総務省統計局によると、平成30年は東京空き家率10.6%と過去最高と
人口減少社会のなかの住宅過剰社会の問題が露呈してきています。

6. 地球環境・脱炭素社会の問題

2006年のアル・ゴアの「不都合な真実」やJ.ロックストローム、M.クルム著「小さな地球の大きな世界」(2017年)に代表されるように 現在地球の危機・限界が指摘されて​SDGsの持続可能な開発が叫ばれています。大規模再開発がさまざまな問題を起こす可能性があります。
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